2017年アイアンマン世界選手権遠征記⑤ーミジンコとの戦い

      2018/05/23

前日までの様子はこちら

10/12 7:30

今回の遠征で最大の粗相、それはふんどしとちょんまげを忘れたことである。

レースを前々日に控えた木曜日には、世にも奇妙なイベントが開かれる。その名を「アンダーパンツラン」という。コナの繁華街を1000人以上の男女が下着で走るイベントだ。

www.underpantsrun.org

 

f:id:hiroaki_saso:20171029154306j:plain

(http://www.underpantsrun.org/より)

 

もともとは海パンでレストランやお店に入っていく選手をどうにかしたい、というところから始まったらしい。そして、日本人はふんどしで参加するのが恒例となっている。

 

白状すると、10/10到着予定にしてポチったつもりでいたのだが、実際には10/18指定になっていた。佐川急便から送られてきた小包は、机の奥深くで、いまかいまかと出番を待ち続けています。

 

f:id:hiroaki_saso:20171029154440j:plain

 

困ったので、本当に困ったので、飯田橋によくおいでになる例のあの方に代打をお願いしました。

 

 

 

12:00

宿に帰って、谷本先生に直前のメンテナンスをお願いする。

 

佐相「肩を回すと少しツマりがあって

谷本先生「(動作チェックして)うん、クソだね」

 

佐相「足首がアレで」

谷本先生「(動作チェックして)うん、クソだね」

 

佐相「股関節が」

谷本先生「うん、クソだね(即答)」

 

そうです。レースを明後日に控えた僕の身体はクソです。

しかしこれは海外遠征につきものだと思う。時差調整などで、レースの5日くらい前に現地入りすることが多いと思う。現地に行くと、身体を動かしたくなるし、機材チェックなどの観点からも多少運動したほうがいい。

日本にいれば、金曜日にメンテナンスをしてもらって、次に身体を動かすのはレース当日、ということができる。しかし海外のレースとなるとそうもいかないのだ。たちの悪いことに、海を渡ってまで参加するレースこそ、万全の体調で臨みたいと思っている事が多い。

そんな中、今回のハワイ遠征に帯同してもらったのは、本当にありがたい。

 

佐相「明日軽く筋トレします。あと当日朝はテープをこことここにおなしゃす」

谷本先生「そうだね。筋トレする時は呼んで。テープは当日朝言ってね」

 

レースを万全の状態で迎えるための準備は、身体の治療以外にもある。今回やろうと思っているのは、ごく短時間の高い強度の運動を前日に行うことと、テーピングによる筋肉のサポートだ。

 

f:id:hiroaki_saso:20171029155144j:plain

 

 

18:00

ウェルカムパーティから競技説明会。

 

谷本先生「おらぁなぁ、ねむんいんだ!」

f:id:hiroaki_saso:20171029155129j:plain

 

10/13 14:00

色々な方の助けを借りながら、バイクやらトランジバックやらのを受託準備を進める。

 

FBを開くと高倉豪さんの引用投稿が目に入る。2014年世界王者セバスチャン・キーンレのコメントの引用だった。彼はこう言ったそうだ。「レースが終わった時にHappyなのは大事だけど、レースが始まる前にHappyなのが、もっと大事なんだ」。

 

https://www.facebook.com/go.takakura/posts/1341688625942657

 

ここに来るにあたって、どちらかというと不安な気持ちの方が大きかった。というのも、2016年7月の皆生を最後に、ここ1年以上満足のいくレースができていなかったからだ。トレーニングはうまくいっていた。しかしレースで結果を出せなかった。

2016年10月のアイアンマン台湾、権利獲得はもちろん、9.5時間切りも不可能ではないと思っていた。蓋を開けてみれば熱中症と脱水症状に苦しみ、11時間以上かけて完走した。日頃の行いがもう少し悪ければハワイに来られなかっただろう。

2017年4月の宮古島では、オフシーズンのトレーニングの成果を発揮しようと意気込んでいた。しかしバイク中盤で失速、一刻も早くレースが終わることを願い続けた。

3ヶ月後の皆生では、バイク30km地点でスポークが折れ、1.5時間の足止めを食らった。その時点で、レースは終わってしまった。復帰後はテストを兼ねてオーバーペースで走った。ラン20km地点で脚が動かなくなってしまったのは実力不足だ。皆生から帰ってきてからは、ハワイでもまた走れないんじゃないか、そんな不安を抱えてきた。

 

しかし、そんな不安は、この舞台の大きさを前にしてはミジンコみたいなものだった。アイアンマン世界選手権、世界最高のボーナスステージだ。トライアスロンの中でも特殊な種目「アイアンマン」。その完走者のうちたった上位3%が、世界中から集まる、世界最大にして最高の大会だ。もう二度と来られないかもしれないその大会を堪能するべきなのに、自分は実に小さいことにとらわれている。

 

明日は、余計なことを気にせず走ればいい。年代別の順位とか前との差なんて気にしなくていい。なんていいレースなんだ。バイク受託のため車に乗り込んだときには、憑き物が落ちた気がしていた。さらばミジンコよ。

 

20:00

明日の朝ごはんの支度。自分は米炊き。発芽玄米と白米を研ぐ。谷本先生はもち米をこねて、きなこおはぎを作る。

ぽんさん「玄米って消化悪いからあんまりよくないみたいですぅ。おやすみなさい!」

 

お嬢様、明日の朝には白米をお召し上がりになれるよう段取りしておきましょう。でもこの4人で一番胃腸強いのはあなたですよ。

 

f:id:hiroaki_saso:20171029154310j:plain

 

次回、レースの様子はこちら

 - 2017アイアンマン世界選手権