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悲しい話をしよう。

   

前回「クリスマスイブ、力尽きる。

Lifeblood鍼灸マッサージ院谷本先生の指導のもと、ウェイトトレーニングを始めて1年以上が経過した。

それまで全く無縁だったトレーニングに取り組むとなると、谷本先生のアドバイスが不可欠だった。リアラインバランスシューズで基礎を固めることから始まり、やがてプレートなしのバーベルを持ち上げられるようになった。重りは小さいプレートのついたダンベルに変わり、プレート付きのバーベルになった。今では補助ラックなしにトレーニングできることができなくなって、少し離れたところからバーベルを見ると、両端になにか塊がくっついているように見えるようになった。

トレーニングパートナーの清水さんにはいつもひよっこ扱いされていた。自分のメニューを早く終わらせて、相手のレストを1秒でも短くしてやろうと不毛な争いをしていたものである。清水さんはなんでか知らないけどいつも余裕そうだった。

つい最近は、頑張ってやっているはずなのに、ふざけているように見えてしまう危機に直面している。

 

谷本先生にはこう言われている。

男はケツで語れ
ケツが小さえやつは男じゃねえ

ーLifeblood鍼灸マッサージ院院長  谷本卓也

 

その中で気になる言葉があった。

今持ってるズボン、全部履けなくしてやっからなぁぁ

ーLifeblood鍼灸マッサージ院院長  谷本卓也

そしてその時は訪れた。

Levisの551。今は廃盤となってしまった型である。大学2年の正月、家族4人で初売りに出向き、地元のマルカワで仕入れた。数本のボトムスの中でも特に気に入っている一本である。少し黒めの色合い、ジーンズらしい荒々しい肌触りながら、その中にほのかな優しさを感じる。ウェイトトレーニングの開始を機に大きくなっていく私のお尻を、ヤツは常に見守ってくれた。雨の日も風の日も、ヤツは一言の文句も言わず、弱肉強食の無慈悲な外界から私の繊細なお尻を隔てる一枚の壁となり続けたのである。

臀部の肥大化に伴い、歩行時の内もものスレが激しくなる。色が薄くなり、生地は柔らかみを増してくる。別れの日が近づいていることには、薄々感づいていた。そして本日、ヤツはその天命を全うしたのである。

今宵はヤツとの別れを惜しみ、思い出に浸る夜にしようと思う。

 - today's workout